でも、これからの医療にとって大変な転換点をむかえつつあるんです、この勝村先生が患者代表といった形で中央社会保険医療協議会(中医協)委員に推薦された事が。
実は勝村久司さんは、大阪府立の高校で天文学を教えていらっしゃる先生なんです。お医者さんでは無いのです。
勝村先生は、大学時代の同級生で理栄さんと結婚され、ごく普通の教員生活でしたが、長女の出産を境に平凡な生活は激変します。
奥さんは、大阪府の枚方市民病院へお産のため入院されました。予定通り生まれて来ない赤ちゃんに陣痛促進剤が多く投与されました。
ところが子宮口は硬く出産には無理、中は陣痛が激しく普通の分娩は不可能な状態。
一時母体の生命までもが危うい状態もあり、無理やり出産はしたものの、生まれたら「星子」ちゃんと名づけられた赤ちゃんはたった9日間で命を閉じます。今から16年前のことです。
勝村先生は、あまりにもずさんなお産の体制に医療訴訟を起こし99年大阪高裁で勝訴します。
その時、
「星子」が無事生まれてきたのなら、その育児にかかったであろう時間を、間違った医療で苦しめられて来た人たちのために使おう、と心に決めたそうです。
ちなみに病医院の出産は火、水曜日が多く土、日曜日は極端に少ない。助産婦所は金曜日が一番多いそうです。
この間の記録は「ぼくの『星の王子さま』へ」幻冬舎文庫に詳しく書かれています。
それ以降、全国の医療被害に苦しむ色々な団体をまとめ上げ、今では、被害者の中心的存在です。
それと同時に勝村先生が力点を置いているのが、医療機関の明確な領収証の発行です。
スーパーで買い物をすれば大根1本〇〇円、魚一匹〇円、とレシートに価格がきっちり表示されているのに、医院、病院の領収証はすべて合計でいくら、の表示はおかしいのではないか、初診料、処方せん料、レントゲン料、点滴等々キッチリ明確にすべきではないか、と目下その徹底の運動中です。
現在、全国でもかなりの割合で明細書(レセプト)なみの領収証を発行する医療機関が増えてきました。
従来の中医協は、はじめに結論ありき、で収まる所に収まって来ましたが、彼の存在が、今後の中医協のあり方を「普通の中医協」に変えていって呉れる、と信じています。


